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歌舞伎座の散髪屋で江戸情緒を堪能する

 kabukiza

 歌舞伎座の中に「散髪屋」があるのをご存知でしょうか?

 店の名前は「理容室片岡」(看板には“散髪屋”としか書いていません)。元々は歌舞伎俳優や関係者向けの理髪店だったのだろうと思われますが、一般客も利用可能です。

 歌舞伎座のどこにあるのかというと、入り口は晴海通り沿いの歌舞伎座正面ではなく、昭和通り沿いの楽屋口になります。昭和通りを歌舞伎座に沿って歩くと、見落としそうな小さな看板があります。

 「ここが入り口か?」と思い進むと、そこは楽屋入り口。一瞬戸惑いますが、楽屋入り口を左に曲がり、歌舞伎座の建物裏手へと回ります。

 裏手には役者さん達の衣類を洗濯する洗い場があり、開いている窓からは、役者さんや関係者さんの楽屋と思われる部屋が見えます。「ここは完全に関係者の空間じゃない?」と、さらに戸惑っていると、洗濯機の前に入り口があり、ドアの横に小さなサインポール(赤白青のトリコロールカラーのクルクル回る奴)を発見できます。

 「ここなのか?」窓も店名表示も無いドアを恐る恐る開けると、やっと店内です。気さくなご主人が迎えてくれますが、さらに驚くのは、一坪程の狭い店内には調髪台が一台だけしかないことです。そう、この店はご主人と客のマンツーマン調髪体制なのです。

 店内は、一台の調髪台の他に、洗髪場所とレジ台と小さな椅子がある程度ですが、壁には昔からの有名歌舞伎役者さんの直筆の色紙が飾られています。

  私は、歌舞伎が好きなのですが、そう度々鑑賞することもできないため、「せめて気分だけでも歌舞伎の雰囲気に浸ろう」と思い、利用するようになりました。

 銀座の店にも関わらず、お洒落な雰囲気もBGMも無いこの店が心地よいのは、公演中に行くと“江戸気分”に浸れるからです。

 店は歌舞伎座の中に通じていますので、歌舞伎座内の音がよく聞こえ、調髪中のBGMは実際の公演の長唄や竹本の歌舞伎音楽となります。

 目を瞑り、三味線や鳴物、囃子、唄の音を聞きながら調髪されていると、まるで江戸時代の髪床にタイムスリップしたような気分が味わえます。

 今の歌舞伎座は、外観は時代がかった造りですが、中の音が外に聞こえることはありませんし、外部の騒音を考えると尚更です。

 しかし、江戸時代に歌舞伎が「芝居小屋」で公演されていた頃、近くにあった「髪床」は、この散髪屋と同じ状況にあったに違いないと思うのです。そして庶民が聞こえてくる歌舞伎音楽を耳にしながら「ああ、歌舞伎見てえなぁ。ちくしょうめぇ。」などと髪床の親父にぼやいていたに違いないと思うのです。

 私はちょんまげではなく、短髪ですが、店を出る頃にはいっぱしの“江戸っ子!”気分で帰路に着きます。

 ところで、技術の方ですが、こちらもすばらしいです。ご主人は理容業界の東大といわれる中央高等理容学校(現・中央理容専門学校)のご出身で「バチュラー・オブ・トンソリーアル・アーツ~理容技術師」の称号を持たれています。

 30年以上前に、ご主人が歌舞伎座の理容店を引き継がれたのも「技術の確かさ」を買われたからのようで、私のツンツンバリバリ剛毛も特殊技術で“キッチリ”セットしてもらえます。(しかも長持ち)以前は「サリーちゃんのパパ」と言われ続けた私の髪型は、今では「坂東 玉三郎」と評価されています。(評者:本人)

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