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第三者割当増資のない世界

「第三者割当増資」は日本特有のものらしい。

何度も増資手続きに携わってきましたが、驚きです。

そう言えば、「子会社上場」も、日本特有であり、欧米ではほとんどあり得ないらしいですネ。(西武の問題以降、日本でも「子会社上場」に対する審査の目線は、非常に厳しいものになったようですが・・・。)

会計制度もそうですが、我々が「常識」として捉えていることで、世界的には「非常識」というものは、まだまだあるかもしれませんネ。

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(↓日経新聞から引用。「大磯小磯」(2007・03・14))

 戦後、京都大学系の商法学者が英米会社法を研究し、その成果を公表したことがあった。私はだいぶたってからその文献を手にしたが、その際に不審に思ったのは、英国では増資とは株主割当増資を意味するとの指摘であった。

 小規模で閉鎖的同族的な会社では、構成員間の信頼関係がこうした団体成立の基盤だから、株主の個性が重視され、株主の持分比率を維持するために株主割当増資が通例とされることは理解できる。しかし、なぜ大規模公開会社でも株主割当増資なのか。資金調達の機動性を損なうことになるのではないか、それが当時の疑問であった。

 英国系の金融機関に長期にわたって働いてきた有能な金融マンで、現在は英国で大学教授をしている人物に早速、英国に第三者割当増資はあるかと尋ねたところ、絶対にないとのことであった。しかし、北越製紙、ライブドアに限らず、日本の新株発行で強調されるのは割り当て自由の原則であり、株主割当増資が当然とは誰も思っていない。

 なぜ英国では株主割当増資が原則なのか。一株利益の希薄化(ダイリューション)を防ぐためとの指摘もあるが、それは発行価額次第であり、完全時価で発行されるのであればこの問題は起こらない。結局は既存株主の支配比率の維持がその主目的ということになる。だが、何と言っても大事な視点は、株主が個人及び個人のために厳格な受託者責任を負うべき機関投資家である以上、そうした個人中心の社会のあり方を変えてはならないとの社会の合意ないし規範意識であろう。実はアメリカでも第三者増資はまず行われない。

 日本では、こうした英米の発想を十二分に理解しようと努力しないままに、弁護士事務所推奨による様々な買収防衛策が喧伝されている。日本で第三者割当増資を原則として行ってはならないとされたなら、買収防衛論議は一新されるだろう。

 そもそも成熟した市民社会で、企業買収とはどのような様相を示すものなのか。怪しげなマーケットゆえ怪しげな買収が行われる、買収後の支配企業に従属企業の関係者に対する責任がないがゆえ安易な企業買収が起こる。もとより株主割当増資の市民社会維持機能が論じられることもない。三角合併の是非も、そうした原論不在の状況のもとで論じられていることにこそ最大の問題がある。(盤側)
日経新聞「大磯小磯」(2007・03・14)

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株式投資のメリットに株主割当増資というものがあります。企業が必要な資金を調達する... [続きを読む]

受信: 2007/03/20 22:39

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