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会社の余資は誰のもの?

会社の余剰資金に眼をつけて、株主への配分を求める風潮が強まっているようですが、果たして「正当」な要求と言えるのか?難しい問題です。

長期的に存続し続けなければならない「企業」と、短期的な利益を求める「株主(投資家)」

企業経営者に緊張感を持たせ、資産を効率活用し、企業価値を高める効果の一方、行き過ぎた配分の実施は、企業の体力を弱め、存続の危機につながる恐れもある・・・。

難しい問題ですが、問題に一石を投じるコラムが日経新聞に掲載されました。「株主総会を取締役の任免の決定に集中させるべき」とする主張は、一考に値すると思いますネ。
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■以下、日本経済新聞より引用(2007/03/20 「大磯小磯」より)

 日本の優良企業は潤沢な余裕資金を持っている。潤沢な余資が優良企業の条件と考えられた時代もあった。ところが最近は、この余資に目をつけて配分を要求してくる株主が増えている。

 まず確認しておかなければならないのは、余資は株主だけのものではないということだ。貸借対照表の借方と貸方との間に個別対応関係はない。余資をも含め、ある資産が株主資本に対応したものかどうかを特定することは出来ないのである。これは企業会計の基本である。余資を株主に配分せよと言うことを要求する株主は、この基本をきっちりと理解すべきである。

 それだけではない。余資は企業の存続発展にとって重要な機能を果たしているというもう一つの基本も理解してもらいたい。余資は多様な利害関係者に会社の財務的安定性を担保するための手段である。多様なステークホルダーが有限責任の株式会社と安心して取引をしてくれるのは、余資という経営安定のための基金があるからである。

 日本の場合には、余資がとりわけ重要な役割を演じていると考えるべき二つの追加的理由がある。一つは、手形による企業間信用が用いられていること。もう一つは、終身雇用の慣行が採用されていることである。余資があるから従業員も取引先も企業の約束を信用できるのである。

 余資を吐き出した企業は、その時点以降、株価が下がることが多いようである。それだけでなく、利益率が低下することも多い。余資の吐き出しは、株主にとっても利益にならないのである。

 以上を考えたうえで、なお余資の配分を要求する投資家は、欲張りすぎといわねばならない。もしこれまで述べたことを知らずに要求をしているのであれば、投資家としての資格が問い直されなければならないであろう。

 株主に合理的判断力があれば、このような不合理な提案が総会で可決されることはない。しかし、可決されてしまう心配があるのは、短期の株価上昇に目を奪われる株主がいるからだ。このような株主のモラルハザードを心配しなければならないのは、利益処分を株主総会で決める日本の会社法に根本的な欠陥があるからである。株主のモラルハザードを防ぐための法改正が不可欠である。米国のように株主総会を取締役の任免の決定に集中させるべきである。(猪突)

 

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コメント

honnoriさん、コメントありがとうございます。

くだらないブログで目を汚してしまい、大変恐縮です。内容に統一感も無く、更新期間もマチマチの勝手気ままな書き殴りですが、また、遊びに来て下さると嬉しいです!

これからもよろしくお願い致します。

投稿: 銀行法師 | 2007/03/22 22:52

はじめまして。
勝手に拝見させていただいておりました。
、いつも鋭い着眼点とそれにまつわる興味深い記事の内容で、勉強させていただいています。

余剰資金自体が、本当に余剰なのかどうかが
問われるところですが、一方で効率的な活用を
していない会社があるのも事実ですよね。
だからといって、株主配当を厚くして、株価をあげるのが効率的な活用かというと、それもなんだか違う
気がするのですよね・・・
なかなか難しい問題ですね。

これからも、よろしくお願いいたします。

投稿: honnori | 2007/03/21 23:13

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